補:なぜ女性活躍推進法で男性の働き方が変わるのか?(元の題名:男性にとって他人事ではない女性活躍推進)

 なぜ 女性活躍推進法で男性の働き方が変わるのか?
(元の題名:男性にとって他人事ではない女性活躍推進)

yahooニュース・ハフィントンポスト等で配信されたこの記事ですが、その性質上、書ききれない部分もありましたのでここで補足します。


【評価】
この素案は答申前にパブリックコメントに付されたもので、この後に出される答申にそのまま反映されるものではありません。
また、後に出される答申も法的拘束力をもつものではないため、それが基本計画として盛り込まれるか否かは定かではありません。加えて、たとえ基本計画として盛り込まれたとしてもあくまで「基本計画」なのでその法的拘束力も弱いものです。
時間外労働の上限規制はこれまでも労働界から求められてきましたが実現してきませんでした。それ以外にも「検討をする」という記述も多く、評価は分かれるでしょう。

しかし、現実の企業ではあたかも素案を先取りするように、記事で紹介したように様々な動きが出始めています。企業は法制度による強制を受けなければ動かない、という訳ではありません。足りない人材を確保し、労働生産性を上げるために必要不可欠なものとして女性活躍を進めようという企業が出始めているのが現在です。

企業は、外部環境に反応しそれを収益に変えていこうとする有機的結合体です。当該法・基本計画(素案)によるプレッシャーに如何に消化し、組織に取り込んでいくかを考え、模索しているのが現在ではないでしょうか。その端緒を与えたものとして、私は女性活躍推進法・基本計画素案を評価します。

【ワーキングマザーの実態を知らせる・知ることの必要性】
女性活躍推進法について、先に配信された記事では「男性の働き方」に関わる部分のみを抜き出しました。この法律についても「取り組むべきはそこじゃない」との声も聞こえます。

確かに、増加し続ける待機児童・学童の問題等の子育て環境が不十分なまま動き出しているのは大問題です。しばらくの間、子育て環境・男性意識・女性の育成といったそれぞれの問題への取組のタイムラグに女性が一番苦しむことになるでしょう。そのサポートを各家庭任せにするのではなく、企業がともに考えていく姿勢をもつべきです。

そのためにも、女性がまず声を挙げていくことが重要ではないでしょうか。女性の日々の生活における苦労は、男性にはピンときません。私も女性のインタビューを重ねることでその実態を知りました。ワークとプライベート(ライフ)は一連の繋がりがあるものです。決して切り離すことが出来ない性質のものです。特に子育て期においては。その苦労・苦しさを企業・男性は知る必要があります。

【まだ始まったばかり・半歩前進で善しとする】
法律・制度はトライ&エラーのサイクルを繰り返していくものです。一度で完璧な形にするというのは幻想です。
女性の地位向上に役立った男女雇用機会均等法も成立時は強制力のない「ザル法」との評価を受けました。
その後、何度もの改正を経て現在の姿になっています。様々な阻害要因をひとつずつクリアーし、あたかも匍匐(ほふく)前進するかのように前進していきます(漸進主義)。困難な課題であればあるほど時間がかかります。
  ※男女雇用機会均等法に関しては、女性の分断という別の問題を引き起こしたとのマイナス面もあります

これから始まる「女性の育成」に関しても同様のスタンスで見なければなりません。
組織に効果を与えるにはしばらく時間が必要でしょう。これまでの組織内慣行を変更しながらの「育成」であるという難しい課題であるという点を忘れてはならないと思います。
  
  ※女性の育成に関しては稿を改めます







 

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